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魔術士オーフェンはぐれ旅 アーバンラマ編のkuroereiのレビュー・感想・評価

1.0
どこから話せばいいかな? この絶望を語るには

1.2期と散々酷い内容を見せられてきたがこの3期が最も酷いよ

まず作画。前から安定感は無かったが、牙の塔ペンダントをはじめとした小物のサイズ感のバグはすごい。そしてキャラデザ、とにかく敵味方関係なくあらゆるキャラがモブ、モブ、モブ。表情は乏しくカメラアングルが引くと顔が崩れる。本当に酷い

そして嫌な意味で安定してるのが音楽。とにかくダサい、五月蝿い、シーンに合ってない。特にシリアスなバトルシーンで挿入されるギターの騒音には辟易させられた。あとコメディパートのへっぽこBGMが古臭すぎる。昭和かよ

酷さの中でも群を抜いてるのが構成と脚本。ミステリー要素のある物語なのに、「ある人物の正体」に関するサプライズ要素をOPや回想でガンガンネタバレし、いざ真実を突きつけられても物語としての面白みを奪ってくる
原作の読者にとってはそれらのネタバレは確かに周知の事実だが、それを込みで物語を作るのはあまりにも不誠実だし工夫もへったくれもないから
ただのやっつけ脚本でしかない
加えて、シリアスパートの合間にガンガン挟んでくる地人兄弟のコメディパートが本当に鬱陶しく、著しく物語への没入感を損なってくる。後半になると頻度も増えるから段々このキャラクターが不要というか害悪に思えてきて原作ファンとして悲しすぎる
また、普通に走ればいいシーンが「魔術を使用してスローに移動する」になっていたり、「距離を詰められない強敵」と表現した直後にいきなり接近しての格闘戦が始まったり、「盗み聞きとは聞き捨てならない」とかいう日本語のおかしいセリフが入ったりと、ちょくちょく意味不明な事もやらかすので始末に負えない
正直ここに書いてある事の3倍はおかしなシーンがあるので、原作を未読か既読かに関わらず一つの作品としての破綻が凄すぎる

それでもここまでは普通のアニメとしてみた場合の文句だ。そしてここからは原作ファンとしての文句になるが……

キャラクターや原作への解像度、リスペクトが無い。足りないんじゃなくて、無い。ストーリー展開や台詞回しが原作に沿っているからといって騙されはしないぞ
例えば今シーズンのボスキャラ的存在であるドッペルイクスのライアン。彼の行動は確かに原作通りだが、「何故日記に僕の事が書いてない!」なんてセリフを言わせたせいでロリコンストーカーにしか見えなくなっている。断じてそんなキャラクターでは無い
あと、一応レギュラーメンバーである地人兄弟をただの賑やかしとしてか考えてない節がある。彼らがアーバンラマを眺めるシーンは本来はこれから起こる事件への前兆を暗示していたりするのだがそんな空気はアニメでは一切ない。しかしセリフ回しだけは原作通りなので一見それらしく見えるというやつだ。このアニメはそんなんばっかり。「形だけ」「ガワだけ」の原作準拠をやって本来そこにあったはずの要点はすっぽり抜け落ちている
戦闘シーンだって予算が少ないから酷い、というものですらない。「原作通り」に「奴に近付けない」と言わせておいていきなり接近戦したり羽交い締めにしたり、「相打ち覚悟」と謳っておいてかすり傷しか描かない。原作準拠を装ってしまったがために全てがチグハグなのだ。しょうもない

1点しか付けられないから1点だが実際のところ令和に見たあらゆるアニメの中でも最底辺だと思うよ。マジに
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