ウシュアイア

AYAKA ‐あやか‐のウシュアイアのレビュー・感想・評価

AYAKA ‐あやか‐(2023年製作のアニメ)
2.7
自然や生命のエネルギーの流れ命脈を操る脈接ぎと呼ばれる仙術使いがいる綾ヵ島を自身の命と引き換えに危機から守った稀代の仙術使いを父に持ちながら島外の養護施設で育った八凪幸人は父の弟子を名乗る飲んだくれ青年・沙川尽義により島へ連れ戻されて脈接ぎとしての修行をすることになり、幸人は才能を開花させていく一方で、父の弟子・孫弟子たちとともに綾ヵ島にまたしても訪れた危機に立ち向かうという和風異能SF。


複雑怪奇に陥りがちな和風異能でありながらも12話の中で前提知識なしでも無理なく理解でき、設定は悪くなかった。

和風異能者の脈接ぎには神職もいればガンマンもいるという多様性とも統一感のなさは残念ながら他の残念な作品を踏襲してしまった感がある。また、登場人物のカラーも子ども向け作品のテイストが出てしまい、同じく残念な仕上がりになってしまった『東京24区』を踏襲してしまった気がする。

この程度ならまだ他の部分で何とかなったと思うが、決定的に見過ごせない欠点があったと思う。それゆえに他のレビュアーさんが評したように残念な作品になってしまった感がある。

まず、荒魂(あらみたま)と呼ばれる命脈から外れたモンスターがエヴァの使途のような和風異能SFにそぐわぬデザインだったことが作風の統一感のなさを象徴していたような気がする。

そして、クライマックスだが、人間不信に陥りかけていた幸人が島民や仲間との絆を取り戻して能力を覚醒させるというエモい展開になることは目に見えていたものの、上滑りした感じが否めない。島で幼少期の幸人の面倒を見ていた兄貴分であり、かつ幸人の脈接ぎとしての師匠でもある尽義のキャラがクサかった上にウザかったためにクライマックスに向かってイマイチ乗りづらかったように思える。クライマックスでの尽義の役割は王道ならば別のキャラが担うところだろう。

作風の統一感や王道で攻めるべきところ王道で攻めることは作品の成否に大きな影響を及ぼす。
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