カニ組長

転生貴族の異世界冒険録 〜自重を知らない神々の使徒〜のカニ組長のネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

 製作陣の、この作品を最大限面白くしようとする涙ぐましい努力は伝わるが、正直原作が力不足だったと言わざるおえない。
 もう、キャラクター設定もストーリー構成も何番煎じにも煎じられたテンプレートでしかなく、それを更にテンプレで固めるもんだから、人によっては見るのも苦痛になるだろう。製作陣もそれを加味してか、作品自体を超ハイテンポのダイジェストに、ギャグも誇張して描かれているが、それでも作品自体の粗さは随所で目立つ。そして、その粗さの大元は、ストーリー展開のほぼ存在しない作劇にある。
 この作品の話の流れは大体こう、
①問題が起こる。
②主人公カインがチート能力で解決。
③周りが驚くなか、また僕何かやっちゃいました?ととぼける。
④女に惚れられる。
⑤やりすぎたカインが王様か父親から説教されて終わる。
本当に1クールのうち半分はこれ。しかも新しい女キャラクターが出てくる度にこれをやる。これをストーリー展開とは呼ばない。展開に行き詰まった作者がとりあえず新キャラ出してパターン化した流れを使って物語を引き延ばしてるだけだ。しかもパターンに頼ってしまっているせいで、主人公は毎回チート能力で問題を誘発し、そのくせ被害者面をする、ちゃっかりハーレム小僧君と化してしまっており、結果、めちゃくちゃ鼻に付くキャラクターに成り下がってしまっている。こんな主人公には誰も共感しないだろう。
 一応途中で修行回とかもあるが、それが1クールで機能することも無いので、本当に中身すっからかんのアニメ。
 ただ、最後までテンプレの塊なので頭空っぽにして見られるのは、唯一の良い所かな。
カニ組長

カニ組長