ろいろい

プラネテスのろいろいのレビュー・感想・評価

プラネテス(2003年製作のアニメ)
4.6
💠favorite line💠
"でも愛しあうことだけがどうしてもやめられない"

🎞️catch phrase🎞️
『秒速8キロ―― 宇宙(ここ)ではネジすら凶器になる』

🎞️story&information🎞️
主人公ハチマキは宇宙ステーションでデブリ(宇宙ゴミ)回収を仕事にしている職業宇宙飛行士。
自分の宇宙船を手に入れるため、同僚のユーリやフィーらとデブリを回収する日々。
今年で4年目を迎えた25歳、そろそろ自分の生き方を考え始めてきた。
そんな折、ハチマキの働くデブリ課に新入社員が配属された。
彼女の名前はタナベ。初めは、何かにつけて反発し合っていたが、やがて二人は惹かれ合っていく――。


監督は谷口悟朗。

『モーニング』(講談社)に1999年から2004年まで不定期連載された作品。
表題は古典ギリシア語で「惑う人」を意味するπλάνηςの複数形πλάνητεςであり、「惑う人々」転じて「惑星」を意味している。
2002年度星雲賞コミック部門および、テレビアニメ化された作品が2005年度星雲賞メディア部門を受賞。
同賞の原作・アニメのダブル受賞は『風の谷のナウシカ』以来。連載中の作品については本作が初。

🎞️review🎞️✐✐✐✐✐✐
世間の認知度は低いけど、間違いなく日本の歴史に名を刻んだSF作品。
宇宙を舞台とした作品だからこその葛藤や人間の弱さが上手く表現されていて、人間臭さが滲み出ている名作。

最近は『もっと早くこの作品に出会いたかった』という感想をよく見かける。
かくいう私も高校生の時に視聴したけど、『もっと早くこの作品に出会いたかった』と思えた。
NHKアニメは定期的に名作を輩出するから恐ろしい😱

本作はSF作品の位置付け。
だが、本筋は社会的なテーマを内包した手に汗握る見所満載な人間ドラマ。

具体的には
近未来に起こりうるリアルなSF描写、サラリーマン人生、国家間格差、テロリズム、国際紛争、環境問題など現代社会が内包する問題を風刺や皮肉を随所に散りばめながら多角的に喚起し、
一方で普遍的な日常や哲学的なニュアンス(「宇宙とは何か」「人間とは何か」「愛とは何か」)、人間関係や人の尊厳を、登場キャラクターを中心に描いている濃密な人間ドラマ。

ここまでテーマが多いと普通は意味不明な作品になる。普通は。

だけど、この作品の本質はキャラクターにあり、
人類が生存している以上未来永劫変わらない事柄を、人間関係と個々の登場人物の背景を絡めて描かれているので、
一切消化不良には至らなく、作品全体が全く破綻することなく結末へと進む。
これは、脚本と演出の歯車が噛み合ったからだろう!!

ストーリーはというと、
前半は視聴して"怠さ"があったりする。人によっては『無駄話が多くつまらない』と感じるかもしれない。
けれど、絶対に最終話まで見続けることをおススメする。
というのも本作は、無駄な話が無く、全てがラストに向かって意味を持っている。
前半の現実的な要求と理想を求める感情や主張のせめぎ合いから生まれる暑苦しさ・重苦しさが、綺麗に収束へ導かれて爽やかに終わる展開には脱帽できる。

余談だけど、本作のストーリー展開は原作と違ったものらしい。
原作から脱線した作品で、ここまで秀逸な作品を世に出せるのは製作陣の情熱をダイレクトに感じる。

そして、抜群の味を出しているキャラクターたち。
決してかっこ良くない主人公と決して可愛いわけではないヒロイン。
主人公が"右"と言えば"左"というヒロイン。
そんな二人を中心に、筋の通った人物背景と、一貫しながらも繊細な心理描写で映し出される登場人物たちは、血の通った「人間」のよう。

一番好きなシーンは最終話の宇宙のシーン。
涙なしじゃ語れない😭
「宇宙」と「愛」を両方感じることができるシーンだったけど、ドキドキするのでは無く、それ以上の何かを感じることができた。
愛って大事だよ。青臭くなんか無いよ。

まだ見ていない人全員に一度は見てもらいたい。

そして、私はこの作品に対して絶賛を惜しまない。
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story:dアニメストア参考
information:Wiki参考
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