ヴレア

四畳半タイムマシンブルースのヴレアのネタバレレビュー・内容・結末

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作のアニメ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

「サマータイムマシン・ブルース」(映画版)を10回以上観ていて、「四畳半神話大系」の原作とアニメ共に大ファンでもある私にとってうってつけなコラボで、原作はすぐに飛び付いて読んで満足していたが、さらにそれをアニメ化ということで二重に嬉しい企画だった。
そもそも、上田誠による「サマータイムマシン・ブルース」を原案に森見登美彦が「四畳半タイムマシンブルース」を書き、それを上田誠脚本でアニメ化するというのだから逆輸入の逆輸入みたいな感じで相当カオスになるのではないかと思ったけども、原作とアニメならではの部分が混在したとても良い化学反応を起こしていたのでとても良かった。

基本的には「サマータイムマシン・ブルース」の内容を「四畳半神話大系」のキャラクターがなぞって行く展開にはなるのだが、そこまで大事にならないというか緊迫感が全く感じられないのはやはり「四畳半」のメンバーにまともな人間が少ない事によるだろう。
皆とにかく自由に行動しまくるので場がカオスになっていて面白い。

また「サマータイムマシン・ブルース」と違う点として最高だったのは明石さんの意思で主人公を過去に置いて行くくだりだろう。
明石さんが過去の明石さん自身に告白するように主人公に言うシーンは間接的に(いや直接的にか?)主人公に対する好意を示しており、それがうまくラブストーリーとして昇華されているのがとても上手いと感じられた。

最終話は原作にはたしか無い部分で、時間が巻き戻るというのは「四畳半神話大系」らしさを感じさせてとても良かった。
逆に原作から削られたのは、明石さんが本を時間に例えるシーンで、それは全体のテーマとしてとても重要だったので残念に思えた。
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