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エンゼルコップのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

エンゼルコップ(1989年製作のアニメ)
4.7
20世紀末。日本はGNP世界第1位となり、世界経済を牽引する経済大国となっていた。
しかし、繁栄を享受する日本を快く思わない極左勢力や共産国家群は日本国内でのテロを活発化させ、日本の治安は極度に悪化した。
これを憂慮した日本政府は、警視庁公安部にテロリスト対策を専門とする特殊公安(特公)を新たに設置した。
特公の捜査官には、犯人の射殺を認める射殺許可証(マーダー・フリー)が与えられ、特公は日本の治安を影で守ることになった。
某日。国際手配されていた大物テロリストの須山武が逮捕され、日本に送還されてきた。
しかし、須山は仲間のタチハラと共に逃走したため、特公が彼らの追跡任務に当たった。
新人捜査官のエンゼルはパートナーのライデンと共にタチハラを追跡するが、タチハラの確保に失敗してライデンが重傷を負ってしまう。
その後、特公がタチハラの確保に成功すると同時に、彼の関係者が次々と殺害される事件が発生した。「口封じが行われている」と判断した特公は、背後関係を知るためにタチハラへの拷問と彼の仲間の確保に全力を挙げる。
まもなく、「タチハラの仲間がビルに籠城している」という情報を得たエンゼルたちはビルへ向かうが、そこでテロリストを超能力によって殺し回るアスラとフレアのアメリカ人2人組、そして全身をサイボーグ化したライデンと出くわした。アスラとフレアは、自らがテロリストを狩る「ハンター」であることを語り、ライデンは自らを防衛庁の市原博士の実験によってサイボーグ化したことを語る。
一方、東京都知事の舞坂から捜査の中止を命令された特公部長の海将はその命令に疑問を感じ、舞坂に2年前から独自で捜査していた「Hファイル」の名を挙げてカマを掛けた。
その結果、「Hファイル」の存在を知られたことで本性を現した舞坂は特公捜査官の抹殺を指令し、エンゼルたちは追われる身となってしまう。
それと同時に、ハンターたちもエンゼルたちの命を狙い始めた。エンゼルは陰謀を公表するため、舞坂やハンターたちとの闘いに挑む。

始まりは、脚本家の会川昇さんが、骨太で社会派なドラマを失くした当時の刑事ドラマに苛立ち、「宇宙刑事シャイダー」で活躍している森永奈緒美を主演に骨太な特撮刑事ドラマを作りたいと、板野一郎と組んで企画したことだった。
だが製作会社から5話分の脚本を1本にまとめろと無茶振りされた挙句、製作中止された。
諦めきれなかった板野一郎監督が、執念でアニメシリーズ化した。
躍動感あふれるガンアクションとカーチェイスと超能力バトルと爆発とグロ描写は板野一郎監督十八番で、オリジナルビデオアニメ以上のクオリティ。
大国のパワーゲームと利益に利用されながらも、日本人の命と安全を守るためホントの正義を迷いながら貫くため戦うエンジェルやライデンたち特殊公安やエスパーの骨太なドラマもあり、悲惨な状況になっている今だからこそ見たいオリジナルビデオアニメシリーズ。
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