母親の愛を盲目的に肯定するカルト的思想に侵されたパーティーの冒険を描くアニメで、改めて見ると母子の相互不理解を話の中心に描いているのに主人公の母の愛は、とにかく良きこととして感化する構図の歪さがとにかく薄気味悪く映るので所感としてはホラーに近かった。大好真々子による他人の家の母子関係の介入による軟化により、魅力的なヒロイン達のキャラクターの単純化も個人的にはどうかと思う。調子者、腹黒、小動物、と問題を通して培われる真々子ファーストの思想と引き換えに性格の奥行きを失う様はさながらマインドコントロールのようでさえある。ライトノベルの温度感としては遣り取りの取って付けたような諧謔味は良いとして、そこまで他者に影響を与えるほどの存在としての説得力にも欠ける振る舞いが目立つが、これをある程度見れる物として成立させているのは一重にキャラクターデザインを担当する、飯田ぽち。氏の手腕が大きいだろう。
