なかずかい

無敵超人ザンボット3のなかずかいのレビュー・感想・評価

無敵超人ザンボット3(1977年製作のアニメ)
4.7
何度見ても面白い。今回はYouTube配信で視聴。富野由悠季初のオリジナル監督作品(ライディーンは置いておこう)。
ただまあ、終盤に関しては初見時ですらオチを知ってしまっていたため一度記憶を消して見てみたいものである。
迫真のストーリーに加えて金田作画回なども相俟ってなかなかに凄みが出ている。

凄惨性ばかり取沙汰だがそんなことはどうでもよいのだ。当初は勝平という不良少年が好き勝手やっており市民に反感を買ってもそれはそれで仕方ない状態であったが(とはいえやはり度は過ぎている)、それが正義感や使命感に目覚め、最後には「地球の人は皆いい人だ」と言うまでになる。凄惨であろうとなかろうと、このアニメのストーリーや演出は荒削りながら光る要素に満ち満ちている。
香月との絆、アキとの別れ、父に従兄弟に飼い犬に兄や伯父など様々な人に生かされて帰還と様々な物語を経て勝平に母を含めた大勢の人が押し寄せる展開は涙無しには語れないだろう。
ラストシーンは漫画『GANTZ』にオマージュされるくらいだしやはり後年に与えた影響は図りし得ない。

個人的に好きなのは、玩具玩具したデザインのザンボット3の手足がもがれたときにザンボエースのみをドッキングアウトする最終回の展開である。やたらフォーカスが当たる特攻シーンはこうした演出に支えられている。ロボットのデザインをストーリー及び演出に活かす富野由悠季の手腕の片鱗がここで既に芽生えていたのだ。コンテとか見てないからわからない誰の意図なのか厳密にはわかっていないけど多分。
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