滝和也

マクロス7の滝和也のレビュー・感想・評価

マクロス7(1994年製作のアニメ)
3.6
継続は力なり…
マクロスゲージ
歌…★★★★
愛…★★
バトル…★★  

怪作度…★★★★
クセ度…★★★★★
俺の歌を聞け!

「マクロス7」

トレンディドラマとリアルロボットバトル、そしてアイドルの歌の融合という化学反応を起しヒットしたマクロスの第二作目…だが…主人公がロックバンドのボーカルで何故か新型バルキリーを操り、軍の静止を振り切り戦場で歌いまくるという知らない人が聞いたら狂ってるとしか思えない豪快極まる設定に当時度肝を抜かれた。

しかも主人公熱気バサラの吐く台詞や行動のワガママさは正に古すぎるロック・スター像で一歩間違えば内田裕也が一番近い…。つまりダサすぎるあっつい台詞がゴリゴリに…。しかも歌は正統派過ぎるゴリゴリのロック。これまた時代遅れの代物かと…

思いきや…これを49話も毎週続けるわけで…そう話も毎回敵であるプロトデビルンに何らか襲われ、バサラ率いるファイヤーボンバーが出撃し、歌いまくり、何か起きて敵は退散を繰り返すが続く…。一年を放映期間として与えられたのか話がほぼ進まない…。

それが癖に…なってしまうのだ。

まるで刷り込みのようにバサラのキャラクターに慣れ、ファイヤーボンバーのロックが好きになってしまうのだ。それは毎回撤退していくプロトデビルンの様に…。

途中から登場したプロトデビルンは明らかにリアルロボット路線から外れたデビルマンのデーモン族みたいな存在で毎回攻めてくるあたりはマジンガーZのドクターヘルやあしゅら男爵並み(笑)もはやヒーローロボットアニメに変わっている。

更にやたら敵が強く見える。バンクフィルムの使い回しがやたら多くて、雑兵扱いのバルキリーは毎回毎回爆発飛散。すごい数の死人が出ていそうだ…(笑)

バサラがロック歌手パイロットのため、ヒロインは同じバンドのベース兼ボーカルのミレーヌ1人…。三角関係になるのはエリートパイロットガムリン中尉。だが…バサラは歌にしか興味のないロックバカなので三角関係も成立してない…。ミレーヌとガムリンが空回りするコメディなのだ。ミレーヌが前作で活躍したマックスとミリアの娘であり、この父母がけん怠期でコメディに1役かう…。そもそも男性二人の三角関係なぞ、期待はできない…処作のファンは揺れ動く女性たちの心が見たいのだ…(笑)ミレーヌは可愛くないわけではないし…。

前作に比べて…監督がマクロスの場を借りて好き放題していたのか、歌と戦場のミックスに失敗したのか…中盤からは謎の技術が使われ、力技に近い豪快さを見せる。その頃には感覚が麻痺してバサラを応援してしまっているので気にもならならないかもしれないが…。

兎に角、癖に…なる怪作なのだ…。マクロスの一作目とは切り離して考えるべきだ。熱気バサラという麻◯にふける感じで見てほしい…。

追記…因みにプロトデビルンのシビルにデビ子と名前を付けファンがいたのも事実…バサラと恋仲になり、銀河の果てに飛んで終わるかと思ってました…(笑)
滝和也

滝和也