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そらのおとしものの都部のレビュー・感想・評価

そらのおとしもの(2009年製作のアニメ)
3.5
自分語りを少しするんですけど、成人した今見るとそうでもないけど小学生時代にそのビジュアルを目にして『エッチだ……』となったコンテンツは誰にでもあると思っていて、私からするとケロロ軍曹のアニメを見てたらCMに流れてきた本作がその一つであり、約十年越しにそうした作品をいざ目にすると考えるとなんだか感慨深い気持ちになったりします。

さて本作はメインビジュアルを見て分かるようにお色気要素とそのノリを多分に含んだ作品なのですが、想像していたより背景に存在する設定自体は沈痛な物で、不健全な中高生的なエロにコメディの役割を担わせてシリアスとのバランスを取っているタイプの作品なのは少し意外でした。
いや、正確にはエロのノリがコメディに傾倒しすぎでバランスは取れてないので緩急という言葉では至らない明確な温度差を感じるんですが、おっぱいの大きいヒロインズが景気よくエッチな目に遭うのは良いぜ!

エンジェロイドとして交流を重ねて人間に徐々に近付くにつれて、感情の表現が上手く出来ない自分に頭を悩ませるイカロスの物語は題材としては普遍的なもの故に呑み込みやすく、性的な欲求の発露は下劣であるものの語られる人の良さに説得力のある主人公に対する感情の変化も明確でメインストーリーは文句なし。私はあくまでエロが好きなのであって下ネタは吐き気を催すレベルで苦手なので、『付いてけねぇ……』となる場面もちょこちょこありましたが、楽しく見れるエピソードが概ねを占めていたのでその点も問題なく。天界の神に支配されるエンジェロイドの悲哀を描きながら、その解放を着地点とする話の筋の通し方も生真面目で、ハートフル要素の強いエロコメディとしては十分な出来かなと思われます。

引き続く『そらのおとしものf』の感想でも触れるのですが、アニメシリーズを通して一番好きになったヒロインが、よりによっておっぱいの一番小さいニンフだったのは自分でも意外でしたね……いやだって可愛くてさ……。
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