ウシュアイア

ヴィンランド・サガ シーズン2のウシュアイアのレビュー・感想・評価

4.2
11世紀の北欧(アイスランド、ノルウェー、イングランドなど)を舞台にした、ヴァイキングたちの純シリアス歴史ロマン。

第1期は主人公トルフィンが最強のヴァイキング戦士団・ヨーム戦士団の英雄であった父トールズの仇討ちのためヴァイキングたちの修羅の世界に身を落とすが、仇敵であったアシェラッドはあっさりと殺されてしまい、生きる目的を失い廃人と同然となり、農奴へ身を落とすことになる。

第2期は、奴隷編もしくは農業編といわれ、農奴となったトルフィンが雇い主のケティルの農園での生活を通じて人間性を取り戻していく中、農園が第1期で行動を共にしていたイングランド・デンマーク王となったクヌート王の侵攻を受けるという話。

あらすじを書くとストーリーの進行上、大きな進展はないものの、24話じっくりと人間ドラマが繰り広げられる。血なまぐさい修羅の世界を描いた第1期とは同じ作品とは思えないほどの違いがある。

トルフィンの変化以上にワイルドになったクヌートの変化の方が衝撃的。

農業とは何か。
人間にとってエッセンシャルな営みであるものの、過剰になれば富を生み出し・・・もうお分かりですよね、という言われてみれば当たり前のことなのだが、戦争の起源に触れており、非常に示唆に富む話が多かった。

また、キリスト教が普及しきっていない時代の話ということもあり、その時代の価値観や考え方は興味深いものがある。今当たり前の考え方もかなりキリスト教の影響を受けていることがよくわかる。

アニメーション制作はWIT StadioからMAPPAに移り、映像のテイストは若干変化。光と影のコントラストを多用するMAPPAらしい映像だったと思う。
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