滝和也

Re:キューティーハニーの滝和也のレビュー・感想・評価

Re:キューティーハニー(2004年製作のアニメ)
4.0
庵野秀明という男
彼ほど幸せな男は
いないだろう…

それは私達世代の夢を
ほぼ全て叶えたのだから
これは
シン・キューティーハニーさ!

「Re:キューティーハニー」

私達世代は夏休みに再放送で親に隠れて見てた(笑)作品といえばキューティーハニー。爽やかなお色気とスマートなカッコ良さで魅了されてましたね。私達世代を代表する庵野秀明がシンシリーズを作る前に実写リメイク&アニメ化した作品がこれ。

やはり実写はイマイチなれどアニメ版はさすがの庵野秀明です。正にシンという感じ。1時間番組3話のみですが、映画としたら長尺。巧みにストーリーを詰め込み、未完に終わったハニーの最終回をきっちり庵野テイストで作り上げてます。

秋奈津子警部との友情をストーリーの中心に添えて、早見青児のトリオでパンサークローの大幹部ゴールド、コバルト、スカーレット、ブラッククローそして首領シスタージルとの戦いを描いてます。お馴染みの下っぱ達、派手な改造クローたちも出てきてかなり騒がしい(笑)ただ早見くんの立ち位置や軽いノリの喋りが見事にハマり、世界観を作っているあたりが巧みで声優さんもかなり上手でしたね。

実写版もポップでカラフルなイメージでしたが、こちらこそ、庵野秀明のイメージどおりのセンスかと。カートゥーンアニメの様なディフォルメされたシーンが上手くミックスされて、よりポップな出来に。また実写ではできなかったお色気シーンも満載ながら…いやらしさはポップさで中和され、爽やかなお色気となってます。特に今作のハニーフラッシュは素晴らしい。ハニーのデザインも可愛いし、そのカラフルさ含めよりキューティーハニーらしさ、永井豪ワールドらしさが出てます。

怒りのハニーの描写やシスタージルのイメージは正に永井豪のデビルマン系の絵でしたし、特にブラッククローなんかはマジンガーファンにはたまらないデザイン。あしゅら男爵とブロッケン伯爵の合体版(笑)。コバルトクローのおさげが武器なのもガミアQだしね。明くんや美樹ちゃんもモブにいたりして遊びもあって。

庵野秀明らしさである個と他、自分と他人の関係で世界が存在するというネタがぶっこまれてきた故にエヴァかよと突っ込みたくはなるのですが…シスタージルがプロトタイプってのはありかなぁと。ややキカイダーも入ってましたが(笑)ハニーの空中元素固定装置がナノマシンていう解釈もありだし…。

庵野秀明さんはやっぱり羨ましい…ハニー、ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーとやってきて、子供の頃の夢はみんな叶えちゃってますからね。ナウシカやりたがってる噂もありますし…。そう考えるとこのハニーはリメイクの夢の出発点になるわけです。流石の才能、ファンならではのリスペクトがあり、これも楽しいのでオススメできます(^_^)
滝和也

滝和也